一章 河内国の神童
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一章 河内国の神童
いでや生まれてこの方の、彼の才溢るることの天蓋を知らずして、大河が如く流転しけり。 欠けたることのなし満月も天道に隠れ、雲を前に消えゆゆ。 大海の深きに溺れけりて、大河の流れに流さる氏族の、月夜を灯す日の元なりけること、彼才、比肩類されることなし開闢彼方の類を知らず。 ――古記弓削連好色伝「僧の才」より抜粋――
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