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side弟
家の中なのに、外のセミの鳴き声が響く。
庭の向日葵が大きく伸びていく。
·····ぼくの身長もそれくらい伸びてほしい。
「あつーい·····」
暑いからか、野良猫ですら裏庭に来ない。
つまり、遊び相手がいない。
「·····あつすぎるよ」
こんな暑いのは初めてだ。
しかも、なんで今年に限ってエアコンが壊れてしまったのだろうか·····来週にならないと修理できないなんて辛いよ·····
―
風鈴が揺れない。
それだけで、もう暑い。
「·····ひま」
やることが無い。
今日の分の宿題なら終わった。
明日の分は明日やる。
·····ママが日付を書いた付箋を貼ってるから、ぼくはその日にそのページを埋めるだけ。
「·····やることない·····眠い」
起きたらアイス食べよう·····そうしよう。
お兄ちゃんに取られませんように·····
最近のお兄ちゃんはアイス食べ過ぎだもん·····
畳に寝転がると、虚しい天井が見えた。
「·····たたみ、つめたい、すずしい·····」
仰向けになって目を閉じた。
「ん·····」
眠気には勝てず、すぐに眠ってしまった。
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