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アイスの行方
兄が丁度食べようとしたら·····弟が起きる。
弟も台所にやってくる。
·····なんてタイミングの悪さ。
「あっ!だめ!にいにずるい!」
冷えたアイス、ミルクの味。
それはゆっくり兄の口に入っていく。
「だめ!ちょうだい!」
「やだ」
ミルクのアイスは最後の1本だった。
それを知ってて楽しみにしていた弟と、冷凍庫を開けたら最後の1本だと知り喜んだ兄。
「ずるい!」
「残念!これで最後〜」
「ずるいずるい!」
頬を膨らませて悔しがる弟の姿に兄はニヤりとした。
兄が涼しい顔してアイスを食べると、余計に弟は騒いだ。
「うわぁぁぁ!アイスずるい!」
「残念でした〜」
「ちょっとちょうだい!」
「やだ」
冷たいアイスは最高だ。
真夏日の冷房が付けられない状況下では天国そのもの。
「ねぇ!ぼくもほしい!一口ちょうだい!」
「残念!もう終わっちゃうよ〜」
騒ぐ弟を背に、兄はアイスを堪能した。
眠気に負けて寝てしまった弟は、兄の食べ終わったアイスの棒を見てメソメソし始めていた。
「アイス·····」
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