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「仲の良い友達とは、別の日に改めて会う約束してるから大丈夫。むしろ一生に一度の機会だって言うなら、龍さんにも僕の晴れ姿を見てほしいです」 『翔……』 「つっても、男の地味なスーツ姿なんて見ても、何の面白みもないだろうけど」  クスクスと笑って、再びベッドに寝転がる。  僕は近くにあった抱き枕を抱き寄せ、わざとらしく声をひそめた。   「とにかく、いいじゃないですか。たまにはこっちでデートしましょう? そんで、いつも行かないようなとこでエッチしましょうよー」  ね? と甘えるように囁いてみると、龍さんはぐっと言葉をつまらせた。呆れたのか、それとも照れているのかは分からない。 「だって僕、たまには家じゃなくて外でしてみたいもん」 『エッ、外って――』 「……その辺の公園とか、建物の裏でしようとか、そういう意味じゃないですよ。ホテルとか行きませんかーって話」 『あー……ホテルか』  なんだか随分とホッとしたような声だ。まさか、本当に僕が野外プレイをしたがってるとでも思ったのだろうか? 龍さんって、柄に似合わずちょっと天然なところがある。可笑しくて、僕はまたクスクスと笑ってしまった。 『別にオレは構わねえけど、どうしてまた急に』 「うーん、この前ネットで『おもしろラブホ特集』っての見たんですよね。それで、たまにはそういうのも悪くないかなと」 『ふむ』 「なんか、ウォータースライダーがある部屋とか、教室のセットがある部屋とか、メリーゴーランドがある部屋とかが特集されてて、面白いなって」 『ハァ? メリーゴーランド? なんだそりゃ。ヤる前に乗るのか、ヤッてから乗るのかどっちなんだよ』 「さあ……龍さんの方が人生経験豊富だから、そういうの詳しいかと思ったんですけど」  僕がそう言うと、龍さんは『そんな変なの、オレだって知らねえよ……』と小声でブツブツぼやいていた。
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