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10-2 ☑
これがまた私にとって難しい問題というか、決断というか。
商社マンとして外国に赴任して1年もしないうちに……
きっとあっちに行って半年も経たないうちっていうヤツだ。
今になっていろいろネットサーフィンして知ったこと……
特に東南アジアに赴任になると現地妻というか、あちらには
若くてぴちぴちした女性が金蔓になる日本人男性を
モノにしようと手ぐすね引いて待ってるのだとか。
自分と家族の生活がかかってるから、したたかにもなるし
男性側が本気になった場合、別れさすのは難しいらしい。
私の思い描いていた総合商社……
そしてそこに勤める若き戦士たちの姿は、勇者で素敵な企業戦士
……だった。
TV番組プロフェッショナルの中の彼らはまさしく素敵な
若き戦士だった。
しかしながら負の闇の部分を就職時に知っていたなら
夫に商社は止めて欲しいとお願いしていたことだろう。
赴任先での……赴任期間限定の現地妻のことなど目を瞑って
しまえばいいのだろうか。
私は器の小さな女なんだろうか。
何度自問自答してみても、答えはNOだった。
鷹揚に構えてなんかいられない。
心の奥底を覗き込んだらすごいものが見えた。
それは……自爆テロもやぶさかではない、女の姿だった。
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