519人が本棚に入れています
本棚に追加
28.
~深山康文と果歩の結婚生活 (25)
万が一?
ううん十中八九夫の事業が失敗した時
私の収入が私たちの生活を支えてくれるであろうことは
想像に難くない。
なので、この先夫が人手のことで私に矛先を向けて
くる日があろうとも、仕事を辞めることは……絶対しない。
このことだけは、絶対に譲ってはいけないと肝に
銘じている。
浮気に走るわ、仕事は勝手に辞めるわ、新しい事業を
するのに自分のお金もないのに妻に相談もしないわ
自分の意見を無理やり押し通そうとするわ、こんな夫
信じられる?
NO~……ノーよ。
信じて何でもはいはい、言うこと聞いてたらきっと先で
えらい目に合わされそうな悪寒……じゃなかった、予感
がする。
ホントに世間知らずの夫はどこまで迷走するのやら。
いつが来たら平穏な日々が来るのかと悶々と日々を
過ごすばかりだ。
こんな一大事、もし失敗して破産でもしようなら
首が回らなくなり、結局はお義父さんたちに尻拭いして
貰う羽目になるのは目に見えている。
だから『義ご両親に相談してからにしましょう』と夫に
言った。
最初は自分の仕事なんだから親に相談するっておかしいだろ
とかなんとか、行き渋っていた。
だけど、自分は1円も持っておらずお金の問題が進まないと
知ると義実家へ足を向けた。
相談には夫一人が行った。
夜家に帰ってきた夫の顔は暗かった。
義父や義母から反対されたんだと思う。
だって、誰が考えても……。
最初のコメントを投稿しよう!