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28-2
「果歩が行け行け言うから行って来たけど行かなきゃ良かった。
猛反対されたよ、父親にも母親にもね。
散々だったぁ。
浮気して一流企業捨てるようなことして、次は我慢が
足りなくて折角拾ってくれた会社を喧嘩して辞めて
……ンで次はなんだぁ、資金もないのにオーナーって?
世間舐めてんのかってさ」
「じゃあ、お金はお義父さんを頼れないよね」
「いくら持ってンの?」
「いくらって? ……」
「親父から譲渡されてる金のことだよ」
「200万円」
「もっと貰ってるんだと思ったけどな……」
「一度だといろいろややこしいから、これから少しずつくださるって。
だから今は200万円しかないの」
「次はいつ、幾らくれんの?」
「そんなの取り決めしてないから分からないわ」
「じゃいいよ、取り敢えずその200万貸して」
「やっぱり、コンビニ……するの?」
「誰が反対しようと、やるったらやるんだよ。
もう人に使われんのは真っ平なんだよ」
義父親に反対されてもやるらしい。
こりゃぁ、私ごときが反対しても駄目だなと諦めた。
まだ夫が店をはじめてもいないのに、不安で仕方なかった。
一体どうなってしまうんだろう。
案外大沢氏のように上手くいって……とか楽観的に
考えられない自分が恨めしくさえあった。
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