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38-2
奥の部屋にいたのに誰も声をかけてなくて……
だけど菅田は果歩にきっと俺の居場所を聞かれて
正直に奥の部屋にいると言ったはずだ。
見られたのか? 俺たちの痴態を。
ヤバイ、やばいぞぉ~これは、
ヤバイヤバイ。
見られたとしてどの辺りを見られたのか。
俺は脳内をフル稼働して仲間友紀との痴態の初めから
記憶を呼び戻し、知らず知らず言い訳のできるシーンを
捜していた。
ガクッ、俺達ふたりの行為に言い訳のできるような
シーンは見当たらない……か。
しかし、なんだよ、怖いものなしの俺様なんだから落ち着けぇ~。
果歩が怒っても泣いてもほうっておけばいいだけだ。
いい加減浮気ぐらいって免疫つけてもいい頃だろ?
俺とは何だかんだ言いながら別れられないんだから。
◇ ◇ ◇ ◇
「ただいま」
「お帰りなさい。今日お店に行ったわ」
「……らしいね」
やっぱり男子学生、夫に報告してたんだ。
じゃあ、夫は浮気の現場を見られたって知ってるよね?
「私に何か言うことはないの? 」
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