山桃に吹く風

６

　子育ては、思っていたより手がかかった。

　悠花に私の緊張が伝わるのか、なかなか泣き止まない。
　落ち込みそうになると、今度は悠花の無心の笑顔に救われた。
　きっと日中、私一人だったら、どうしていいか途方に暮れていただろう。
　義母は「こんなんやったかしら」と、喜んで世話をしてくれる。義父や真治もやいのやいのと言い、４人で育てているようだった。

　悠花はそのうち言葉を話すようになり、１人で歩くようになった。
「ママア」と、甘えた声で呼ばれると、何をさておいても、とんでいく。　毎日、１つずつ贈り物を紐解いている思いがするのだ。