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3
次の土曜日、真治が会議を終えて実家に帰ってきた。
義母と昼食の用意をしていると、表で車の止まる音がする。
うるさく何度もチャイムが鳴るので、真治が玄関に向かう。
すると誰かが廊下をバタバタと走ってくる。
「ばあちゃん! 真ちゃんが追っかけてくるよお!」
5才になるおいっ子の陸くんだ。
真治がガオーッと言いながら入ってくる。
興奮状態の陸くんがキーッという超音波のような声を発しながらテーブルの周りを走る。
「こらこら陸ちゃん! 今に頭ぶつけて泣かなあかんのよ」
私は、子どものテンションがどれ程になるのか見当がつかなくて、ハラハラする。
真治の妹の、みのりさんが入ってくる。
「ごめんねえ、うるさくして」
ビニール袋に入った野菜を渡してくれる。ご近所から、たくさん頂くらしい。
「ありがとう。お昼ご飯は?」
「いい、食べてきたし。お茶だけもらうわ」
みのりさんは漬物の鉢からきゅうりをつまむ。
「みっちゃん!」義母にみつかる。
陸くんは真治につかまってしまった。ソファの上でくすぐられている。
「陸くん、いやあって言ってるけど楽しんでるんだよね?」
「うん。お兄ちゃんしばらく相手しててよ」
わが子とは言え、先程みたいなことが日常だったら、時には休みたくなるだろうか。
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