夢らしい夢

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 湯気に見る  兄の姿は久しくて  泳ぐ視線も ああ 懐かしい  猿と蟹   互いの背中を流し合い   上覧(じょうらん)舞台の筋を煮詰める  着飾って  初お目見えの硬い顔  垢嘗(あかな)めの舌の かわいらしさよ  そんなに目を背けられると、私の身体が何か変なのではと心配になってしまいますよ?  お風呂を一緒に入るのは、小さな頃以来で、骨の兄は生身の頃と同じように、私を見ては、照れるのでした。  湯気の中の人間模様、いえ、妖怪模様は色とりどりで、町の近況を(うかが)うことが出来ますね。裸の付き合いが(たっと)ばれるのは、こちらも同じなのでしょうか?  和気藹々(あいあい)とした雰囲気に、心も体も和んでいきます。
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