夢らしい夢

5/7
前へ
/7ページ
次へ
 いろり端  のっぺらぼうが札切れば  渋る閻魔が(ひげ)(こす)った  天を突く(つの)は  草()む獣らの誇りと語る鬼の  おひたし  皿小鉢 俺から喰えと付喪神(つくもがみ)  箸を追いかけ 膝掛け上がる  お膳はまるで精進料理のように、色彩豊かで生臭(なまぐさ)物が見当たりません。兄は目で、私は舌でいただきました。  2人きりの食事など何年ぶりでしょう。いつまでも、思い出話は尽きません。  この僅かな時間を、幸せと呼びたく思います。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加