いつでもそばに

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いつでもそばに

 手を繋いで、一緒に帰る。  来年もまた来るのだろう。相賀のところへ泊まりに、そして夏祭りに。  そのときはきっと色々変わっている。  葉月は中学生になっているだろうし、相賀だって変わることは多いだろう。  そう、『好きなひと』だってできているかもしれない。  それでも変わらないことはある。繋いでくれた手のひとは、形は変わっても葉月のそばにずっといてくれるのだから。  不意に、ふわりと甘いような香りが葉月の鼻をくすぐった。たった一瞬のこと。  それがなんであるかなんて、わからなくたって。いつでも空から見守ってくれているのはもうわかっている。  (完)
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