眠れぬ夜はきみのせい。

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「ぁっ、あっ、…やま、と…っ、凄い…っ、」 部屋の中に聞こえるのは、外に吹き荒れる雨風の音。乱れた自分の息遣い。 ぎしぎしって、軋むベッドの音。 二人が繋がる場所から聞こえる粘着質で淫靡な水音。 甘い甘い、凛の声。 「や、っ、やだっ、こんなの知らない…っ、きもちぃ…っ」 殆ど涙交じりの凛の声に、俺はただただ翻弄される。 ひたすらに熱い凛のナカを突き上げながら、その綺麗な背中に何度も口づけを落とした。 触れあう体温が心地いい。 触れあう場所全部が気持ちいい。 こんな快楽は俺だって知らない。 「あっ、ぁっ、大和っ…ダメっ、声抑えられない…っ、聞こえちゃう…っ、」 「外の音うっさいから大丈夫だよ…っ」 「ぁ、…っ、あぁ…っん」 うつぶせでぎゅっとシーツを掴む凛に身体を寄せ、前に手を伸ばして胸先を摘まんでやると、生き物みたいに蠢くナカが ぎゅっと締まった。 「…はぁ…っ、凛やばい…っ、すげー可愛い…っ」 「あっ、ぁっ、あぁっ、」 そのまま胸先を弄んでやると、凛の声が切羽つまっていく。 もう頭の中も身体の中もわけわかんないくらいぐちゃぐちゃだ。 「…は…っ、…凛、体勢変えていい…?」 「…ん…っ、や、やだ…っ」 耳許に舌先を這わせながら聞くと、返ってきたのはまさかのNOだった。 「…顔…っ、見られるのやだ…っ、恥ずかしぃ…っ、」 「だから変えたいんじゃん。」 そんな弱々しい抵抗、抵抗にならないとばかりに俺は無理やり凛の体勢を所謂正常位に変えた。 いやいやと小さく首を振りながら両手で顔を覆う凛の手首をそっと外してベッドに縫い止める。 頬をピンクに染め、涙で滲んだ瞳。 汗で濡れた前髪。 羞恥に歪む顔がとんでもなく艶っぽくて、可愛くて、愛おしい。 抑えきれない衝動のまま膝を持ち上げ、ず…、と突き上げると凛は身体を仰け反らせてびくっ…と身体を震わせた。 「…もしかして今ちょっと達った…?」 「…っ、」 困ったように目を反らした凛が、ぎゅっと目を瞑る。 あぁ、もう全部食べたい。 もう加減とか、そんなのできるはずもなく、俺はただ、凛と繋がるその場所に打ち付けるみたいに身体を結び続けた。 凛の甘い声に、誘われるみたいに。 凛の熱いナカに、溶かされてくみたいに。 凛の綺麗な身体を、全部食べ尽くすみたいに。 やがて身体の奥からせり上がってくるものが、俺を追い詰めていく。 「あっ、ぁっ、あぁっ、大和…っ」 「…っ、凛っ、ごめん、俺も…っ、」 徐々に早くなる俺の動きに、うわごとみたいに俺の名前と、すき、を繰り返す凛の唇を塞ぎながら、俺は抑えきれない衝動のまま、最後に凛の最奥を突くみたいに身体を寄せた。 凛の中に熱を全部吐き出す。 同時に凛も身体を震わせて、凛の身体の上に熱を吐き出した。 外は酷い嵐だ。 窓が風で揺れ、シャワーみたいな激しい雨が、畝るように窓に叩きつけられていた。 そんな嵐の音を聞きながら、身体は繋がったままで、まだ熱が覚めない身体をぎゅっと寄せ合った。 世界中で二人だけみたいな、そんな夜だった。
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