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フラッシュバックが毎日続いていた。冷や汗は出ず、動悸も酷くなりはしない。これは自主的な反芻だ。
調子の悪い日に泣き叫ぶことがあるが、それ以外はなんの変哲もない、ただの穀潰しであった。彼女も私だって毎日死にたいと述べていたのだから、人が生きる上では普遍的なことなのだろう。
時折魚になってしまい、酸素が取り込めない事がある。しかしそれも泳ぐと同様に、暫時息を止めれば済んだ。
屋根があり、壁があり、日がな一日寝ていようが何かしらの飯にはありつけ、一寸歩けば朝風呂も一番風呂も得られる。義務は何一つなく、気紛れにした家事を褒められさえした。これにケチを付けたらバチが当たるというものだ。あたって当然だ。そのはずなのだ。これでも苦しいなんて言っている私は罰せられるべきだ。
天罰を与えてもらえる価値すら失ったのかもしれない。これも全て、きみの思惑通りなのだろうか。残りの60年ちょっとの予定を、きみに振り回されて生きていけるのか、布団の中で考える日々だった。
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