俺はドS鬼畜眼鏡ではない。

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*おまけ:その後の二人、パンケーキ屋さんにて* 「お待たせしましたー!当店限定ふわふわスフレ感覚のバナナといちごのパンケーキ、生クリームマシマシチョコシロップマシマシ&メープルシロップマシマシになりまーす。それからこちらセットのスペシャルトロピカルアイスフルーツティーでーす。」 「…。(何言ってんだコイツ。)」 満面の笑顔で注文の品を運んできてくれた店員さんに、杏が心の声が駄々漏れのげんなりとした表情を浮かべる。 「こちらアイスコーヒーになりまーす。」 「ありがとうございまーす。」 一方の高虎は運ばれてきた品を見て、これでもか、というほど幸せそうに目を輝かせた。 当たり前のようにふわふわ(以下略)とアイスティーが杏の前に置かれ、高虎の前にはブラックのアイスコーヒーが置かれる。 しかしこれはもう日常茶飯事なため、高虎はなにも意に介することなくいそいそとパンケーキ&アイスティーと、アイスコーヒーの位置を入れ換えた。 「…何コレもう見てるだけで胸やけしそうなんだけど。」 「わぁ、美味しそー♪あ、先輩先輩!写メ撮ってもいいですか!?先輩とふわふわパンケーキ、すっごく似合ってて可愛いです!!」 「…すっごくヤダ。 」 「はい、じゃあ撮りますよー。」 「聞いてないし。」 高虎の携帯のシャッター音が鳴る。 携帯に保存された杏とパンケーキのツーショットを改めて眺め、高虎は感動で言葉を失った。 カメラを向けられると嫌そうだった杏の顔が瞬時に天使モードに切り替えられていたのだ。 「杏先輩…可愛すぎる…。パンケーキが映えるっていうかもう、パンケーキのせいで杏先輩の可愛さが映えて映えてやばい…。」 「当たり前でしょ。誰が撮らせてやってると思ってるの。」 「もうこの写真、俺が滅んだ暁には絶対棺桶に入れてもらおう…。」 「辛気くさい話止めてよね。てゆーか早く食べないとクリーム溶けるんじゃないの、それ。」 「あ、そうですね♪わーぃ、いただきます♪あ、先輩、あーんってしましょうか?」 「そんなクソ甘いの絶対いらない。」 「美味しいのにー。」 「…ちょっと。クリームついてる。」 「え?どこですか?こっち?」 「…ここ。」 高虎の口元から拭ったクリームがついた親指を、そのまま杏がペロッと舐めてみせた。 その仕草があまりに艶っぽくて、高虎はフォークを口に咥えたまま動きを止め、つい見とれてしまう。 「…確かに美味しそうかもね、これ。」 「…え?…あ、そうでしょ?すごく美味しいですよ、これ!一口食べてみてください!」 「そっちじゃなくて、高虎にクリーム塗って食べたら最高に美味しいだろうなってこと。 …この後、買って帰ろっか??」 「え!?…いや、それは…。」 真っっっ赤になって俯く高虎を、頬杖をついた杏がにこにこ(?)と見つめる。 そんな二人の様子を見ていた周りの女性客たちが皆一様に心の中で叫んでいた。 「逆!なんか、見た目が逆ー!!!!(でも、これはこれで尊い!!!)」
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