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カグヤドリームは頷くと言った。
『ああ、それはね…大きくなると馬房という部屋がもらえるからなのです』
『へやか…ぼくもおおきくなったらもらえるの?』
『もちろんです』
その仔馬は『なるほど…』というと今度は馬房を見渡し始めた。その瞳は壁や出入り口、ワラなどを映していき、やがて換気用の小窓に向いた。
『これは…なに?』
『窓ね。お外を見るためのものです』
『そと…?』
仔馬がキョトンとした様子で首を傾げると、カグヤドリームは再び頭を舐めながら言った。
『吹雪が止めば、出られるかもしれません』
翌日も吹雪は止まず、この仔馬が外に出られたのは生まれて3日後のことだった。
1月の北海道の気温はとても低く、外は一面の雪景色に覆われている。仔馬の体調を気遣った牧場関係者は、綿の編み込まれた衣装を仔馬に着せ、比較的暖かい11時頃に建物から連れ出した。
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