カグヤドリームとの生活

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 仔馬は再び首をひねった。 『ユキって、このしろいの?』 『そうです』 『これがとける?』 『はい』  さすがに生まれたばかりの仔に、この話は難しかっただろうか。カグヤドリームは心の中でそう呟いたが、すぐに仔馬は納得したようだ。 『わかる。わかるわかるわかる! ほら、ぼくのあしについていたユキ…とけてる!』  カグヤドリームはポカンと口を開いていた。仔馬は勝手に甲高い声を上げながら氷柱を眺めている。 『つまり、あたたかいものでとけて、こんなふうにおちて、ここでまたひえてかたまったから…こうなる!』  仔馬は母馬を見た。 『つまり氷柱!』  その仔馬の目は自信に満ちていた。言葉の多くが片言であるが氷柱だけは、はっきりと意味という名の意志を宿して母親に向けている。 『そ、そうです…よくできました』 『えへへへへ…』
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