カグヤドリームとの生活

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 それからというもの、カグヤドリームは質問攻めを受けた。  例えば、馬とは何なのか。人間とは何なのか。サラブレッドと大型馬はどう違うのか。牧場とは何をする場所なのか。レースとは何なのか。競馬とは何なのか。  その何で何で攻撃にカグヤドリームは手を焼き、遂に2人の助っ人が呼ばれるまでになった。  1人目は、仔馬の父であるドドドドドドドドド。  その雄々しき父は、レースとは競馬とは何なのかという質問に答えた。 『レースとはな…ロマンだ』 『ロマンって…ロマンチックのロマン?』 『そうだ。競走馬は…レースで誰よりも速く走ることにロマンを感じ、ただでさえ短い生涯を…更に太く短いものにしてしまう。そんな悲しい生き物なのだ』 『ホントウだ。かなしいね』 『ああ、悲しい…実に…悲しい、そして美しい!』  仔馬は首を傾げた。 『でもおとうさん。うつくしいって…まるまるふとったヒツジさんのことたとえてるんでしょ。ふとくみじかくいきるキョウソウバとかんけいあるの?』 『物の例えだ! 重箱の隅を突いていないで…魂の叫びを感じろ…ジュニアよ!』
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