その手が

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リビングで猫と戯れていると健志さんが戻ってきた。 「もう、大丈夫だね。タマと遊べる位に元気になったんだ」 そう言って、優しく笑う。 「この猫ちゃん、タマって言うんですか?」 「えっ?白い猫の名前ってタマでしょう⁉」 健志さんの言葉に私がキョトンとしていると 「日曜日のアニメのキャラクターはタマだよ」と、念押し。 私は思わず吹き出してしまい、お腹を抱えて笑った。 「はーっ、健志さんのネーミングセンスおかしい」 笑いすぎて涙を拭う私に健志さんの手が伸び頭を撫でられる。 まるで白猫を愛しむかの様な優しい手。 「それだけ笑えたら大丈夫だね」 そう言って私の頭を撫で続けた。 私は、くすぐったい様な、気恥ずかしいような、なんとも言えない気持ちになり俯く。 「さあ、今日はもう寝よう。優さんはコチラのドア、僕は2階、安心してお休み」
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