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二人と一匹の生活が始まって一ヶ月が経った頃
タマの姿が見えなくなり、二人で海岸や公園を必死に探したがそれでも見つけられなかった。
健志さんは、少し寂しそうに
「そのうち帰ってくるよ」
と、呟く。
私は、彼の笑顔が曇る事に悲しみを覚える。
翌日、国道の脇に変わり果てた姿となったタマを見つけた。
タマを抱え泣きながら家に帰るなり
「健志さん、健志さん、健志さん」
彼を呼び、二人で涙を流す。
既に冷たくなってしまったタマを健志さんの手が優しく撫でた。
ペットとは言え大切な家族だった。
タマは、私と健志さんが出会うキッカケをくれた。
私でさえこんなに悲しい。
タマを長い間、可愛がってきた健志さんは私の何倍も悲しい事だろう。
浅い眠りの中で夢をみる。
彼の優しい手で撫でられている。
何度も何度も
彼の優しい手で撫でられている。
浅い眠りの中で夢をみる。
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