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「はぁ……」
そんなため息が白くなって広がった。夏祭りをしたいと飛び込んできためぐるが来てからはや、10分程が経過していた。
「で、具体的にはどうすんだ。流石にここまでの祭りみたいのはまず俺らじゃどうしようもないだろ?」
楽しそうに金魚すくいやらをしてる写真を指差して言った。するとめぐるはわざとらしく考え込む様に顎に指を当てている。そして、むむむっと唸ったかと思えば満面の笑みを浮かべて言った。
「この教室使って夏祭りパーティーしましょ!」
「な、ぱ、パーティー?」
俺はさらに凄いことを言い出したのに思わずこけそうになっちゃったよ。芸人魂でも眠ってるのかな。
「そうよー、浴衣着て飾り付けもして、かき氷削って楽しむのよ! よくない!?」
確かに楽しそうではあるけれどやっぱりめんどくさそうと思う方が強い。大体なんでこんな時にとぐだぐだ考えていたのがばれたのかめぐるが少し不機嫌そうになった。
「何、なんか嫌そうじゃない」
「あ、いや、分かったよ。やるよ」
俺は半ば諦め了承した。
「でも、夏祭りって言うくらいなんだ、8月とかにやるもんじゃないのか? 今は11月だぞ」
「そー言うことは気にしない気にしない。どうせずっと雪降ってるんだもん」
お前が言うのかそれを。それに俺ら2人だけでやるつもりなんだろうか。めぐると2人でか、まぁ悪い気はしないが、うん。
「他に誰か来るのか?」
「勿論よ、もうあの3人には言ってあるわ、多分そろそろ来ると思うんだけど」
「あーそうなのか。よく付き合ってくれたな」
「まぁいろいろしたのよ、いろいろとぉー」
「そのいろいろが気になるんだが」
「もぉ~こまかいわね! そんなだから友達全然できないのよ!」
ムカッ。としたが事実なので俺は特に何も言い返せない。めぐるのニヤニヤとした顔にさらにイラッときながらも俺は多分そのめぐるが声をかけた3人、数少ない俺の友人たちを待った。
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