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そんなこんなでめぐるが呼んだ5人がそろったわけだが特に何時もと変わった感じはしない。たとえめぐるが呼ばなかったとしてもこの5人は集まっただろうし。
「でだ、結局夏祭りパーティーとか言ってたけど何するんだ」
「あれ、佑斗君は聞いてないの?」
え? 聞いてないって何がですか。と、? を浮かべていると先輩以外にも赤井さんや隆也までもが何か知っているらしくこっちを見ている。
「おい」
俺はさっき頭を叩かれた恨みも乗せて主催者に鋭い目を向けた。だが、そんなことで態度が変わる奴でもなく、
「あ、あれ……言ってなかったっけ?」
などと言ってとぼけている。俺は断固抗議しようと思ったがそこは先輩によって止められてしまった。
「まぁまぁ、そこは抑えて抑えて、ね?」
「え、あぁ……はぁ、分かりました」
笑顔を向けてそんなことを言われ、大人しく座った。それとなんだろう、なんか何時もより先輩が楽しそうだった。
「で、具体的には何するんだ」
「えーっとね、浴衣を着てかき氷たべて金魚すくいやってりんご飴食べて、取り敢えずそれっぽいことやりましょ」
なるほど、確かにすべてそれっぽいな。楽しそうではある。
「なぁ、でもりんご飴とか、かき氷なんか別に今でもお祭りであるじゃんか。わざわざ作る必要あるか?」
確かに今はずっと冬であって寒いわけだが別にお祭りがない訳じゃない。それにかき氷なんかもほとんどの場合屋台がでているのである。
「そんなことを言っちゃったらつまらないでしょ~」
「佑斗くんはあんまりやりたくないの?」
「え、あ、いや……そんなことないですよ、いえむしろやりましょう!」
先輩がブーブーと頬を膨らませ赤井さんが少し残念そうにそんなことを言ってくるので俺に拒否する選択肢はなかった。
「でも金魚すくいかぁ、やったことないなぁ」
「確かにな、それに浴衣か」
隆也に同意し俺はみんなの浴衣姿を思い浮かべてみた。浴衣、浴衣………………見たいです!
めぐるや先輩、あかいさ…………は分からないけどもスタイルがとてもいいわけだし。あぁ、さらなる楽しみが増えたのはとても良いことだ。
「何考えてんのよ」
「うお!」
後ろから振り下ろされたマンガを間一髪で避けたつもりだったがもう一発振り下ろされたマンガにバコッと殴られた。
「絶対エロいこと考えてたでしょ」
「そ、そそそんなことないって」
「美羽、あんたも言った方がいいわよ、多分とてつもなく失礼な事を考えてたから」
「えぇぇぇ、そ、そうなの? 佑斗くん」
若干困り顔で目をうるうるさせ聞いてくる。アホ毛も力なくだらーんと垂れていた。
「そんなことないって! ただ、浴衣とか着てるの見たことないから見てみたいなとおもっただけだから」
「ふふーん、私の浴衣姿とか想像してたんだぁ」
「やっぱ、エロね」
先輩にはニヤニヤされめぐるには足をけられてしまった。そのままめぐるは、じゃあまた日程は改めて決めましょ! と言ってばいば~いと教室を出ていった。
「な、なんて勝手な奴……」
「まぁいいじゃない、凄く楽しそうだし」
「確かにやるからには楽しくやりたいですしね。それで1つ質問なんですがあいつになんか脅迫とかされました?」
「脅迫?」
俺は隆也に起きた不幸を先輩に話した。
「あー、あはは……だから隆也くん元気ないんだ。んーでも私は、ほんとに楽しそうだったからすぐオーケーしちゃって、だから何も言われてないよ」
「そうなんですか。じゃあ俺達も帰りますか」
「うん、そうだね」
未だに少し元気がない隆也と先輩をつれドアを開けようとしたとき俺の腕の制服の裾を赤井さんにひっぱられた。
「み、美羽の事をえ、エ…………エロい目で見てたの?」
「!?!?!?」
この後何度違うと言ったかもう俺は覚えていない。
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