EP.6 人のうわさはいつまでも続く

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 ゆきの心臓の鼓動が早くなる。嫌な脂汗が、顔ににじみだした。  編集長にこんなことをさせているのだ。やはり記事に問題があったとしか思えない。まさかこんなに大ごとになるとは思ってもみなかった。  ふと、哲の顔に笑みが浮かぶ。視線を編集長に向けて、口を開いた。 「一体いつまでそうされているのですか? 編集長」  哲の言葉は外には聞こえない。もちろん、編集長の声も。 「……申し訳ございません」  編集長の声は、震えていた。哲は艶やかに笑う。 「編集長がずうっとその体制でいらっしゃるものですから、俺も思わず偉そうな態度になってしまうじゃないですか」  声はあくまで穏やかだ。しかし編集長はいまだに頭を上げられないでいる。
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