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「アイリス!」
王様は手を更に強く握って、名前を呼んだ。
「おかあさま」
そう言って、王女は涙を流した。そして、ゆっくりと目を開けた。
一同が安堵した様に彼女を覗き込み、王様は王女様を抱き寄せた。
「お父様」
「どうしたのだ。アイリス」
抱きしめながら、王様は王女様の頭を撫でた。
「お母様にお会いしました」
頬には一筋の涙が伝い流れ、大きくて美しい黒い瞳はこの場の誰のことも映していないかの様に虚でした。
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