ひまわり畑の君

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彼女と出会ったのは真夏の日差しの強いある日のことだった。 僕は彼女の白いドレスが印象に残り今でも脳裏に焼き付いている。 一年後、彼女は僕の前から忽然と消えてしまった。 まるで夏の靄のように……。 僕は彼女の行方を探すために北海道の大空町にやってきた。 彼女はよくひまわり畑に来ていたことを思い出し、ひまわり畑を訪ねたが彼女の姿はなかった。 僅かな可能性を求めて街中に来た僕はとある病院に駆け寄った。   すると、彼女が心臓病で亡くなったことを聞かされる。 しかも、ほんの1ヶ月前に……。 僕は喪失感に苛まれてしばらく何もする気が起きなかった。 家に帰った僕は彼女と2年前に出会ったことを思い出してふとアルバムを取り出した。 中を開いてみると、彼女が夏の日差しにも負けない満面の笑みを浮かべていた。 彼女は病気のことをいつから知らされたのだろう…僕は病気のことを何も聞かされていなかった。 もしかして彼女は病気のことを僕が知ると深く傷つくと思ったから僕の前から居なくなったのかーー。 彼女のその時の心情は今となっては知る由もないけど、そう思った僕は止めどなく涙が溢れた。 僕の泣き声は四畳半の部屋に虚しく木霊した……。
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