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「そぉだけどぉ。パパ、かわいそう」
大地は頬杖をついて言うと、光莉は「はあっ」とため息をついて、
「パパが一番さみしいとおもうから、だいちゃんがそんなわがままゆっちゃダメでしょー?」
と言うと、私はそんな光莉を見て瞳を潤ませて感動していた。
「光莉。お姉ちゃんになったねっ!」
「まぁね。パパたち見てたら…あたしがしっかりしないと、ダメなような気がして…!」
そう言いながら、光莉はなぜか拳を握りしめた。
「ど、どーゆー意味?」
私が恐る恐る訊ねると、光莉は私を見上げて、
「パパがいないときは、あたしがママを守ってあげるからね。だから、早くあたしにスマホ、買って〜」
と言ってにっこり微笑むと、私は咄嗟に目を瞑って寝たフリを始めた。
「あ、こら。そうやって逃げる…っ」
ほんとは、理にも来て欲しかった岐阜への帰省。理の実家なんだから、理が来なきゃ意味ないのに。
私は、坂井雪子。今年36歳になりました。もうおばさんと言われてしまう年だ。
そして、隣にいるのは、娘の坂井光莉、6歳。学年でいうと小学1年生だ。しっかり者で、でも明るくて、頼もしいお姉ちゃん的な女の子だ。髪がだいぶ伸びて、腰の辺りまである。ツインテールでピンクのシュシュをつけている。
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