第1章 いきなり波乱の夏休み?!

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窓際でふてくされているのは、息子の大地。3歳。幼稚園の年少組だ。内気な男の子だったけど、だいぶ男の子らしく元気になって、活発になってきた。 警察署にある道場が土日だけ開放して、そこに先生もついて武道を子供たちに教えてくれる教室が開かれていて、今年の春から大地も通い始めることになった。武道の先生の中に、理の恩師である元警部、井上さんというおじさんがいて、大地に空手を教えてくれている。 柔道、剣道、合気道、空手…。その辺の武道を習わせるにしても、その道を極めなくてもいいけど、せめて自分の身を守れる男の子になってほしい。それが理の願いだった。 たまたま台東区の理の管轄の警察署も含めた、地区の警察官による武道教室が開かれて、そこに大地を連れて行ったことが始まり。理が道着を着て空手をしているのを見て、大地も空手に興味を持ったらしい。 理は、若い頃喧嘩も強かったらしいから、武道もなかなか強いと前に松林さんから聞いたことがある。井上さんにも聞いてみると、井上さんが、昔結構鍛えてくれていたらしい。そんなところは私には見せてくれないけど、犯人を捕まえるところを何度か見てきた。 実は、ちゃんとカッコいいんだよ。 そして、大地もそんな理を見て、改めてちゃんと憧れたんだと思う。 理はその日、大地に空手の型を教えて、大地は嬉しそうに瞳を輝かせて習っていた。それから、井上さんにきちんと習うことを決めたんだ。
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