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あんなに苦しかった不快感が、溢れ出る。
止まることなく溢れ出る。
それが心地よい笑い声によって、空っぽになった中身は幸福感に満たされて。
私は気づいたら笑っていた。
「アンタが友達でよかった」
「それはなにより」
一度も言ったことのない恥ずかしい台詞に。
嬉しそうで、そしてとても優しい声が返ってきて。
幸福感に満たされた私の頬に別の意味を含んだ滴が伝った。
――幸福に満たされたそれは、そっと落ちて、私の手を「もう大丈夫」と元気づけるように優しく撫でてくれた
fin
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