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「……ハジメと同じことってことは、最後にハジメは圭介と話していたのか?」
「ヒヒッ。意外と勘がいいねぇ、尚人は」
「ハジメはなんで転落したんだ? おまえが突き落としたのか?」
「恐い顔すんなよ、ヒヒッ」
否定も肯定もしない。どっちなんだ。圭介だって、まさかハジメを故意に突き落としたりしないだろう。
こいつは毒ヘビなんかじゃない、口も悪いし気味悪い部分がないわけじゃないが、根っからの悪いヤツだとは思えない。だからこそ、俺だって付き合って来られたんだ。
「おまえはそんなことに積極的に関わりたかったのか? ハジメや土井の死に関わって嬉しいか? 一生ヤクザに首輪つけられた生活を望むって言うのか⁉」
思わず圭介に近寄って襟元を掴んだら、短剣を向けられてその手を放した。だけど、怯まずにこの教会の端から俺を取り囲んでいる生徒たちの方へ叫ぶように語り掛けた。
「ここにいるみんなだって同じだ! キミたちは一生ヤクザの犬でいたいのか⁉ この学校に何のために入ったんだよ! 犯罪行為をしてうしろ指差される人生を送るためかよ⁉」
「ストーップ。そこまでだよ、畑中君」
いつの間にか祭壇にはドラキュラの結城が立っていた。不愉快そうに俺を睨みながらも口元は気味悪く笑っている。
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