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プロローグ
まだ俺の世界に射している光の大半が母親の存在だったころ、ある日突然、光が消えて闇の世界に突き落とされた。
朝起きた時、母親が忽然と消えていたのだ。二つ違いの妹だけを連れて。
まだガキだった俺は原因がなんだとか、そんなことを考えることもなく、ただ、そこにいて当たり前だったはずの母親が消えてしまうなんて現実があるんだ、というショックで頭も心もいっぱいになってしまった。
それから、俺の世界の光は消え去り、俺の目に映るものの形が変わっていった。
たとえ話ではなく、その日から本当に俺の視界は恐ろしいくらい激変してしまったのだった。
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