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私の彼氏は幽霊君
私は幼いときから周りが見えないものが見えた。
周りが見えていないと気づいたのはいつからだったのかは覚えていない。
周りが見えないものとは幽霊だ。
そして私は幽霊君と付き合っている。
幽霊君の名前はツバキと言うそうだ。
ツバキと出会ったのは高校を卒業してからすぐに一人暮らしを始めた頃。
就職も決まり住むところを決めるときに不動産から事故物件だと話しはされていたが激安だったので値段で決めた。
事故物件と聞いただけで住むことをやめる人も多い中何故事故物件なのに住んでいるのか。
それは私は人間の友達がいない。
うわべ付き合いな人はたくさんいたけど友達と言える人はいなかった。
人間のかわりに動物の幽霊だった。
この世に存在していたがそれぞれの理由でこの世を去った物たちは思いが強いほど立体的に見える。
だから幽霊が出ると聞いても平気だ。
この事故物件に住むことが決まり引っ越しは進み段ボールに入った物たちを出していると後ろに誰かいることは気づいていたが知らないふりをした。
何されても無視をしていたがいきなり話しかけてきた。
見えても話しかけられたのは始めてでキャーと声をあげてしまった。
「お前俺が見えるのに何故見えないふりをしていたんだ」
「いつから見えることに気づいたの?」
「引っ越ししてきてすぐだよ。お前が可愛がっている犬はもともと俺が飼っていた犬だ。俺より仲良くなりやがって俺はいつも無視してたのに羨ましすぎ。」
「つまりこの世にいないワンちゃんを可愛いがっている姿をみて霊感があることに気づいたのね。もしかしてワンちゃんに妬いてるの?」
犬に妬くなんて子供かよと思ったけどツバキの顔を見たら赤くなっていた。
冗談で言ったつもりが図星だった。
ツバキにもとってもきっと霊が見えたとしても話せる人は始めてだったのだろう。
一緒に住んでいるうちに仲良くなりいつの間にか付き合うことになっていた。
ツバキは生きていたときはこの部屋に住んでいてホストをしていたらしく客だった女に殺されて年齢は25歳でなくなってしまったと話を聞いてもいないのに勝手に話された。
顔もイケメンだと思うしスタイルだって私より整っているかもしれない。
犬はナルと言う名前で保護犬で犬と暮らしていたらしい。
他人の過去なんてどうでも良かった。
自分は人に話せることはない。
目立たないように毎日平和に暮らしたいだけだ。
※日勤の日があれば夜勤の日もあるがこの日は日勤の日だったので朝コーヒーとヨーグルトを食べツバキに行ってきますと挨拶をして会社に出勤した。
今働いている会社はブラック企業で偉くならい限り残業や休日出勤当たり前で独身は日勤だけではなく夜勤もやらされるので新しい人が入ってもすぐにやめてしまうので出入りが激しい職場だ。
今時大学卒業していても就職が難しいのに高校卒業だとほとんどない。
しかもこの会社は知人の紹介だったので入社するのは簡単だったが入社してみると部署移動や出張は1ヶ月のうちに何回もあるしそんな生活を6年も続けていたら痛み止と胃薬が手放せなくなっていた。
給料も安いしボーナスだってあるときとないときがあるのでやめる人も多い理由かもしれない。
私がこの会社をやめないのは退職届を出しても受け入れられない。
上司にやめると言うとお決まりの文句を言われ社長の耳に入る前に揉み消される。
そんな日が何回か繰り返されいつの間にか6年たっていた。
この会社は大手会社から仕事をもらっている下請けだ。
大手会社が生産した製品を検査をする仕事が多いが製品を機械で切断したりしている会社だ。
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