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「そういうことになると思う……」
なんとも申し訳なさそうな彼の声で我に返る。
もしかして、本当に私の盛大な勘違いなのだろうか。
いや、でも同じ市内の同じ学校に、同姓同名の、一歳違いのそっくりな子どもが二人もいたとは思えない。
ということは、彼は嘘をついている?
でも何のために?
あるいは私の初恋の記憶が改竄されている?
いやそんな、SFじゃあるまいし。
でもいずれにしても、今の私には証明する手立てががない。
「……と、とりあえず、まずは使ってもらう部屋に案内するね! 荷物これ?」
私は早口でまくし立て、ソファーのそばに置かれていた大きめのボストンバッグを持ち上げる。
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