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「──あれ?」
ダイニングテーブルの脚の陰にきらりと光るものが見える。
しゃがみ込んで拾ってみると、それはボールペンだった。
スタイリッシュなデザインで、キャップの端に緑色のラインストーンが埋め込まれている。
母の趣味ではない気がするし、もちろん私のでもない。
ということは拓也のものだろう。
私はそのボールペンを持って二階へ上がった。
兄の部屋改め拓也の部屋をノックする。
「陽菜だけど。ちょっといい?」
すると、ドアはすぐに開いて拓也が顔をのぞかせた。
「どうしたの?」
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