今だけは夢を見よう-2

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用事に心当たりがないからか、拓也は不思議そうな顔をしている。 私はさっき拾ったボールペンを見せた。 「これ、拓也くんのじゃない?」 すると拓也はひどく驚いたように目を見開いた。 「それ……! どこにあったの?」 勢いよく身を乗り出され、若干面食らう。 「下の部屋に落ちてたんだけど……大事なものだった?」 私は拓也にボールペンを手渡した。 「うん……そう、だね。ありがとう」 (……?) 今何か、かすかな含みを感じたような気がするのは気のせいだろうか。 考えてみるがその答えには手が届かない。 私は釈然としない思いを抱えながらも拓也の部屋を後にした。
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