今だけは夢を見よう-1

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「こ、こんにちは……」 かろうじて挨拶を返すと、彼は軽く会釈して微笑んだ。 どうして彼が──中学を卒業して以来一度も顔を合わせたことのない彼が、うちにいるのだろう。 「えーっと……お、お客さん?」 動揺を隠して尋ねる。 「ああ、それがね。急な話なんだけど……」 そう前置きして母が始めた説明は、私の想像をはるかに超えるものだった。
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