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「うーん……」
やっぱり、頭の片隅に何かが引っかかっているような感じがする。
いや、「何か」ではなくあのボールペンだ。
どこかで見たようなデザインだという気がする。──どこだろう?
「──あ!」
思わず大きな声を上げてしまった。
向かいの部屋にいる拓也にも聞こえてしまったかもしれない。
でもそんなことを気にしている場合ではなかった。
思い出したのだ。
私は引き出しをひっくり返す勢いであちこち探し回る。
どこかにあるはずだ──どこかに。
「あった……!」
硬いプラスチックのケースに入った、キャップ付きのボールペンだ。
さっき拓也に返したものとそっくり同じデザインの。
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