今だけは夢を見よう-2

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「うーん……」 やっぱり、頭の片隅に何かが引っかかっているような感じがする。 いや、「何か」ではなくあのボールペンだ。 どこかで見たようなデザインだという気がする。──どこだろう? 「──あ!」 思わず大きな声を上げてしまった。 向かいの部屋にいる拓也にも聞こえてしまったかもしれない。 でもそんなことを気にしている場合ではなかった。 思い出したのだ。 私は引き出しをひっくり返す勢いであちこち探し回る。 どこかにあるはずだ──どこかに。 「あった……!」 硬いプラスチックのケースに入った、キャップ付きのボールペンだ。 さっき拓也に返したものとそっくり同じデザインの。
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