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「屋根に上がるとか初めてだ……」
しみじみと言う拓也に、私は得意げに笑って見せる。
「でしょ? 中一の時に見つけた私の秘密基地なの。お母さんに見つかったらとんでもないことになるだろうから内緒ね」
私は拓也から目を逸らし、なんとなく空を見上げる。
晴れてはいるはずだけれど、星はよく見えなかった。
この辺りは夜でもある程度明るいのだ。
「……ねえ」
あえて拓也の方は見ずに口を開く。
「……どうして、同級生だったことを隠してたの?」
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