今だけは夢を見よう-3

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「だって崎村は……」 もう取り繕う必要はないと思ったのだろうか。 拓也もついに当時の呼び方に戻った。 私は続きを待ちながら、薄明りの中ぼんやりと浮かぶその顔を見つける。 「……好きだったんだよ。崎村が。俺は」 一瞬、何を言われたのかわからなかった。 でも間もなく頭が追いついてくる──え? 嘘でしょ? 「……信じられないんだけど」 衝撃から立ち直ると、私は正直に言った。 だって、あの頃の私はといえば、引っ込み思案で目立たない地味な子だったから。 「信じなくてもいいよ」 そう言って拓也は視線を正面に戻した。 途端、あのころの面影を色濃く残した横顔が現れる。
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