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今──今なら言えるんじゃないだろうか。
当時告げられなかった思いを。
「……好きだったのは、私の方よ」
私は拓也の方は見ずに、ぼんやりと空を見上げて呟いた。
「じゃなきゃあのボールペンだって──」
途中まで言ってしまって口をつぐむ。
先生が全員にくれたあのボールペンのラインストーンは、それぞれの誕生石を模したものだった。
そう、拓也が持っていた緑色はエメラルド、私が持っていた紫色はアメジストなのだ。
二月生まれの拓也が緑を、五月生まれの私が紫を持っていた理由はただひとつ──交換したからだ。
六年の時のクラスで五十音順に着席した時、私たちは隣同士の席だった。
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