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「ひと夏の、儚い思い出でもいいんじゃない?」
私たちはそうやって、いろいろな思い出を積み重ねて生きてきたのだから。
大きなものも、小さなものも。
楽しかったことも、つらかったことも。
そしてこれからも、私たちはそうやって生きていくのだ。
いろんな人に、いろんなものに出会い、そして別れながら。
いろんな記憶を刻み、時に忘れ、時にまた思い出しながら。
人生は、そうやってできている。
「……目、閉じて」
拓也が囁くように言った。
私は言われた通りにまぶたを閉じる。
すると一瞬の間を置いたのち、熱い唇が重ねられた。
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