今だけは夢を見よう-3

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心臓が、肋骨にぶつかりそうなほどに暴れている。 でも私は知っているのだ──これが恋の始まりのドキドキではないということを。 明日別れてしまえば、私たちにはそれぞれの日常が戻ってくる。 拓也はここにとどまれないし、私もアメリカには行けない。 だから今だけ、私たちは夢を、儚い幻を見るのだ。 いつかはこの瞬間も、現実だったとさえ思えないくらい、遠い記憶になってしまうのだとしても。 -END-
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