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花火大会最後のプログラムが終わると、会場で拍手と喝采が響いた。
私達3人も、強く拍手をした。
「さあ、帰ろうか。……佐智。そういえば、綿あめはいいのか? 毎年必ず買ってただろ?」
貴志兄さんがにやっと笑いながら言った。
「もう! 貴志兄さん。それは子供の頃のことでしょう?」
私は笑ってから、貴志兄さんに聞いた。
「今度、幸紀を……彼を連れてきていいかな? この花火観せたいし、貴志兄さんたちにも会ってほしい。」
「ああ、連れてこい。ダメ男だったら結婚は許さないからな!」
貴志兄さんが腰に手を当てて言った。
「貴志さん、偉そう……。佐智さんのお父さんじゃないんだから。」
美和さんが困ったように言った。
「いや、俺は佐智の兄貴だからな。佐智の幸せを見届ける義務があるんだ!」
「あら、じゃあ私も佐智さんの姉として、どんな人と結婚するか見極めなくちゃ。」
貴志兄さんと美和さんは楽しそうに言いながら帰り道を歩いていく。
私は2人の邪魔しないように後から付いていくことにした。
休暇が終わって家に帰ったら、真っ先に幸紀に会いに行こう。
そしてポロポーズの返事をするんだ。「はい! 私と結婚してください。」って。
今度幸紀をここ連れてきて、あの風鈴を見せよう。
幸紀がどんな反応をするか楽しみだ。
それから、その風鈴にまつわる伯母さんと美和さんの話も聞いてほしい。
私と幸紀のお母さんがどんな関係を築けるかまだちょっと心配だけど、何とかなるのかも? とも思えるようになったことも。
そして私の心が決まったここ花火も一緒に観よう。
私はまだ花火の余韻が残っている夜空を見上げた。
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