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3人でグラウンドに向かっていると、向こうの方で花火が上がった。
―ドォン。
開いた花火がピンクから緑に変わってさらさら消えていく。
「あ、始まっちゃったね。」
「おお。今の結構大きかったな。」
「こんなに大きいの、上がるんですね。」
「そうね。前より豪華になったかも。」
そんなことを話してるうちに会場に着いた。
3人並んで花火を見上げる。
―ドォン。
―ドォン……パラパラ。
連続で開いては金色の余韻を残して消えていく花火。
赤や青の花火もあれば、金色に開いた後で柳のように筋を描いてから消える花火もあった。
「きれい……。」
次の花火が上がるまでのわずかな時間、夜空を見ながら私はつぶやいた。
「本当ね。やっぱり、花火は素敵だわ……。」
「そうだな。」
美和さんと貴志兄さんが、お互い目を合わせて笑い合う。
仲のいい2人の姿を見ていたら、突然幸紀に会いたくなった。
そしてまた花火が上がる。
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