きみは、運命の人だから。

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〈side カナメ〉 彼の9度目の浮気を目にした時、僕はそれ以上考えることを止めた。 どうして、僕だけじゃダメなんだろう。 どうして、せめてばれないようにしてくれないんだろう。 どうして、彼は平気でいられるんだろう。 …どうして、僕はまだ彼を、こんなにも好きでいるんだろう。 何度も何度も抱いてきた気持ちが粉々に千切れて消えていく。 完全に壊れていく僕の心を、彼―田岡 唯人(たおか ゆいと)はきっと、知るよしもない。 でも僕にはもうこれ以上、彼を赦せるための心の隙間なんてなかった。
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