きみは、運命の人だから。

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カナメが恋人である日々は特別で、彼の身も心も俺だけのものだと思うと堪らなかった。 カナメの全てを愛しいと思っていた。 なのに、ふいに訪れた出来心の日。 大学の同じサークルで、以前から俺に近寄ってきていた、後輩。 俺がカナメと付き合っていることも知っていて、唯人先輩、男もいけるんですね、なんて擦りよってきた。 別に、好きだとも可愛いともなんとも思っていなかった。 カナメ以外の男に興味なんてなかったけれど、ふと、いつも俺に優しくて、俺のすることは何でも許してくれるカナメが、もし俺が他のヤツを抱いた時にはどんな反応をするんだろうと興味が湧いた。 付き合う前に、カナメが嫉妬しているときに見せていたあの切なげな、苦しげな表情が無性に見たくなった。 結果、カナメは思った以上の反応を見せてくれた。 泣いて泣いて、相手の男を責めて、取り乱したみたいに俺のことが好きだって何度も縋り付くように繰り返した。 正直、カナメのその姿に背筋がゾクゾクして堪らなかった。 そんなカナメを見たのは初めてだったから。 いつも控えめなカナメが全身で俺を好きだって言ってるみたいだった。 思わず押し倒した俺にカナメは、いつも以上の反応を見せた。 泣きながら、俺が好きだとうわごとみたいに繰り返して、全身で俺を感じているみたいだった。 いつもよりずっと熱くて畝るカナメのナカが、締め付けるみたいに離さなくて、泣き顔でぐちゃぐちゃなカナメの表情はとんでもなく俺の欲情を煽った。 こんな気持ちは初めてだった。 激しく何度も繋がって、その時にカナメはきっと俺の運命の人だなんて溶けそうな頭で本気で思ったのだった。
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