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取引先回り！
普段怒ってばかりの女性上司の浅葉佳那子｡
失敗ばかりで不甲斐ない部下の山賀泰一｡
２人で取引先の会社を回る途中で､野良犬に遭遇する｡
「……っ…」
犬！！何でこんな所に…
いつもは居ない筈なのに…
『ワンッ､ワンッ､ワンッ､ワンッ！！』
「ヒイッ」
「浅葉課長…？」
『ワンッ､ワンッ､ワンッ､ワンッ､ワンッ､ワンッ！！』
「嫌っ！！」
「っ！…シッシッ…あっちに行け！」
冷静をと思っていたら恐怖で涙が出てしまい､咄嗟に部下はその犬を追い払ったのだ｡
「あの……犬が苦手なんですか……」
「っ………」
「もう犬は僕が追い払ったので近くにはいません」
「………感謝します…さあ取引先に急ぎましょう…」
「はい」
浅葉と山賀は次の会社へ向かう｡
「…………」
「あの……」
「何か…？」
「いいえ……」
「……言いたいことがあるならはっきり言ってちょうだい」
「誰しも苦手なものはあります…」
「だから…？」
「いいえ……」
「…………」
不覚にも…部下の目の前で醜態を晒してしまった…
私が犬を苦手だと知られてしまったわね…
それでもシラをきってやるわ
佳那子は山賀が聞いてきても上手く交わすことにする｡
「浅葉課長､後何件の会社へ回るのですか？」
「……午前中中に回るのは五社よ…まだ一件しか回って居ないわ」
「そうでしたね…ありがとうございます」
「……後一件回ったら少し休憩をしましょうか…」
「は…はい」
そして２人は１０分程歩いて目的地の会社に着くと､取引先の社員に会い､作成してきた書類を渡して説明して､２０分くらいでその会社を出た｡
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