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「賢治、ごめんね。洗濯物やってもらって。」
慌てて服を着替えてリビングに行くと、ベランダで賢治が私の代わりに洗濯物を干してくれていた。
私がいつもするように下着類を外から見えないように干してくれている。
「いいよ、全然。それより昨日は大変だったんじゃない?ちゃんと寝れた?」
あ・・やっぱり気付いてたか。
昨日の夜中に会社からのメールで起こされた私はこっそりと寝室から抜け出し、自分のノートパソコンで会社のシステムにアクセスしてトラブル対処をしていた。
一応、賢治を起こさないように気を使ってはいたつもりなんだけど・・
「え、まあ大したトラブルじゃなかったよ。大半は後輩の子がやってくれてたし。」
「ならよかった。ケイちゃん朝飯食ってく時間ある?」
「うーん、コーヒーだけにしとく。ありがと。」
賢治の方が家を出るのが遅いとは言えこれじゃ全然奥さんをやってるって感じしないな・・
と反省しつつテレビのチャンネルをNHK から10チャンネルに変える。
賢治が一瞬ムッとした顔を作るが気にしない。NHK のニュースってつまんないだよね。
「そういえばケイちゃん、今日は遅いんだっけ?」
あ、そうだ。賢治に聞かれるまで忘れてた。今日は同期の飲み会があるんだった。
「うん、今日はちょっと遅くなるかも。またLINEするね。」
睡眠不足の体でのアルコール過剰摂取は土曜日に地獄を見る・・今日は程々にしようと自分に言い聞かせて私はマンションを出た。
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