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ずっと考えていた。
どうすれば、こんなことになってしまった兄が救われるのだろうって。
弾くことの無くなったギターをいつまでも部屋に置いて、目覚めるかも分からない兄を待ち続けるのは、意味があるのだろうかと。
例え目覚めても、重篤な後遺症でも残っていれば、それこそピックすら握れなくなるかもしれない。
その現実に、絶望する兄を見たくはなかった。
それなら、兄を苦しめるギターをさっさと棄ててしまうのが、一番だと────
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