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「ええ・・・と、『じゃぱん』の海岸です。」
「このオイルをばら蒔いたタンカーは、その『じゃぱん』のタンカーだ!!」
「ええええええっ?!」
その時、ウミガメのマークスの目から大粒の涙が溢れてきた。
「本当なの?!ねえ!!本当なの?!『じゃぱん』のタンカーの事故だったの?!
ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!」
ウミガメのマークスは、激しく取り乱して号泣した。
「何であんたが泣くんだよ?!事故を起こしタンカーは、確かにあんたの出身地の『じゃぱん』の船だけど、
何であんたが謝らなければならんの?」
「だって!!だって!!俺は『じゃぱん』の海岸で産まれて、その『じゃぱん』のタンカーがドードーさんの居る海を汚したんだよ?!
連帯責任だよー!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!
『じゃぱん』出身のウミガメとして謝るよ!!
ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!」
ウミガメのマークスは、泣きながらドードーの目の前に何度も激しく土下座した。
「こんなとこで取り乱さないでよ・・・確かにタンカーは『じゃぱん』のタンカーだけど、別にあんたが海を汚した訳でも・・・
それより、あんたの健康状態が心配だよ。
このオイルまみれの海を泳いできたんでしょ・・・」
ドードーの目からも涙が溢れてきた。
「大丈夫だよ。だって俺は不死身のウミガメ・・・ゲホッ!!」
その時、ウミガメのマークスの口からオイルの塊が吐き出された。
・・・もしかして・・・これって・・・
ウミガメのマークスの脳裏には、かつての旅で出逢った仲間の話・・・タンカー事故のオイルの漂うの海で汚染されたアシカやラッコの哀れな末路・・・脳神経が悪化して異常行動を起こして死んでいった・・・のを思いだしギョッとした。
「何でこんなことになったんだろ・・・
このわしの故郷の森は、もう全滅だよ・・・
美しい珊瑚礁も・・・
ここだけに住む鳥達トカゲ達魚達・・・
そしてマングローブの木に住む生き物達・・・
君と同じウミガメやゾウガメも犠牲になったよ・・・
全部タンカーから流れ出たオイルのせいでもう・・・
わしは『魔法』で各地の動物仲間達を助けてまわってきたけど・・・これだけはお手上げだよ・・・
昔、ドードー仲間が人間に殺されて、わし1羽・・・今度は人間が産まれ故郷をタンカー事故で破滅して・・・人間って・・・!!
なんで・・・なんで・・・こんなことに・・・!!」
「俺の故郷の海岸も人間にぶっ潰されて・・・!!人間なんて!!」
オイルまみれのウミガメのマークスと、ドードーはお互い抱きしめあって大声で泣いた。
オイルで含んで汚れた大粒の涙をお互い流して・・・
~オイルまみれの涙~
~fin ~
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